金融機関でお金を借りるよりも金利が低く、返済期間もない契約者貸付制度だが、利用するための方法や注意点などをまとめて紹介しするぜ!
一見、便利だが大きなリスクもあるんだって!?
会社を辞めて独立しようとするときや、引越しをするときなど、人生ではまとまったお金が必要になることが時々あります。
そういうときに、カードローンなどでお金を借りるという方法もありますが、積立型の生命保険に加入しているなら、解約して解約返戻金を受け取ろうと考える人もいるかもしれません。
でもちょっと待ってください。
その生命保険を解約すると、自分に何かあったときに心配ですよね。
また保険に入り直すとなると、年齢を重ねた分だけ保険料も上がってしまいます。
お金は必要だけど保険は解約したくない。
少しわがままのように思えますが、実はそれを実現するための制度があります。
それが「契約者貸付制度」と呼ばれるもので、低金利でまとまったお金を借りることができます。
契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、貸し付けを受けることができます。
ここではそんな契約者貸付制度を使って、生命保険でお金を借りる方法をご紹介します。
Contents
このページで分かること

解約払戻金のある生命保険なら、契約者貸付制度を利用して生命保険でお金を借りることができます。
金融機関で借りるよりも低金利で、解約払戻金の7〜8割程度借りることができます。
また、返済期間もなく自分のペースで返すことができます。
ただし、返済を先送りしていると利息が膨れ上がり、保険会社から返済を求められる可能性があります。
そこで返済できないと保険が失効します。
また、完済前に満期を迎えたり死亡したりしたときには、満期保険金や死亡保険金から返済残金と利息が差し引かれます。
でも、自分が返せない額まで借りるのはご法度だぜ!
生命保険でお金を借りる「契約者貸付制度」の基礎知識

それではまず、生命保険でお金を借りる「契約者貸付制度」について、分かりやすく説明していきます。
契約者貸付制度とは
積立型の生命保険は満期になると満期保険金がもらえますが、満期になる前に解約しても加入期間に合わせて解約払戻金を受取ることができます。
ただし、解約をすると生命保険に未加入の状態になってしまいますし、入り直すと保険料が上がってしまいます。
保険会社にしてみても契約者が1人減ることになりますので、なんとかして契約を継続したいということで、解約払戻金の一部を貸付するというサービスを提供しています。
これが契約者貸付制度で、契約者にも保険会社にもメリットのある貸付制度になっています。
- 解約払戻金の範囲内で借り入れができる
- 返済期限がない
- 金融機関よりも金利が低い
契約者貸付制度の特徴としてはこの3点が挙げられます。
解約払戻金の一部を借りることになりますので、借りられるのは解約払戻金の6〜8割程度が上限となります。
解約払戻金が100万円あれば80万円まで借りることができます。
金融機関からお金を借りた場合には返済日までに一括返済するか、分割して毎月返済していく必要がありますが、契約者貸付制度には返済期限がなく、返済できる状態になるまで待ってもらえます。
しかも金利は金融機関よりも低く、年2〜6%で借りることができます。
利用するための条件

- 解約払戻金のある生命保険に加入している
- 十分な解約払戻金がある
- 生命保険契約者本人である
契約者貸付制度を使ってお金を借りるための条件が上記の3点です。
当然ですが解約払戻金のない掛け捨て型の生命保険の場合には、お金を借りることはできません。
解約払戻金がある保険に加入していても、加入から数年しか経っておらず、解約払戻金の額が少ないタイミングでは、借り入れできないこともあります。
また、生命保険契約者本人でないと借りることができません。
保険金の受取人や被保険者ではなく「契約者」ですので、間違えないように注意してください。
生命保険でお金を借りるための手順

契約者貸付制度を使って、生命保険でお金を借りるための手順を見ていきましょう。
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利用する方法はとてもシンプルです。
申込みを行えば、審査もなく指定口座へ振り込みをしてもらえます。
申込み方法は保険会社によって違いますが、下記のような方法で申込みができます。
- インターネットの会員ページ
- 電話
- 郵送
- ATM
契約者貸付制度の説明を受けてから利用したいという場合には、まずは担当者やサポートセンターなどに連絡して、不明点を解消してから申込みを行いましょう。
相談や申込みには契約の証券番号などが必要になりますので、保険証券を事前に用意しておきましょう。
契約者貸付制度で借りたお金の返済方法

契約者貸付制度で借りたお金はきちんと返さなくてはいけません。
返さなくても請求されることはありませんが、低いとはいえ利息がかかりますし、満期保険金の支給時に未返済分を差し引かれてしまいます。
返済方法は保険会社によって違いますが、下記のようなものがあります。
- 指定口座への振り込み
- カードを使ってATMからの返済
- 保険会社の窓口での返済
- 振込用紙での返済
借りたお金には利息がかかっていますので、返済前には返済額の確認をしておきましょう。
全額返済ではなく、借りたお金の一部を返済する場合には、一部返済の可否と最低返済額も聞いておきましょう。
契約者貸付制度を利用する上での注意点

低金利でお金を借りることができる契約者貸付制度ですが、利用する上で3つの注意点があります。
どのような点に注意すればいいのか見ていきましょう。
生命保険契約が失効する可能性がある

生命保険でお金を借りる場合にも利息が発生します。
借りた元金と利息の合計が、解約払戻金を超えてしまうと、保険会社から返済を求められます。
きちんと返済できれば問題ありませんが、返済できない場合には、生命保険契約が失効する可能性があります。
せっかく生命保険を解約せずに済んだのに、これでは意味がありませんよね。
お金を借りるときには解約払戻金に対して十分に余裕のある金額までにするか、返済計画を立てた上で利用しましょう。
保険によっては高金利になる

バブル期に加入したような生命保険の場合、保険料が低いのに金利は高くて高額な満期保険金や解約払戻金を受取ることができます。
ところが、そのような生命保険でお金を借りるときには、金利がかなり高くなってしまいます。
カードローンから借りるよりは、まだ低金利で借りることができますが、それでもいつまでも返済しないでいると利息はどんどんと膨れ上がっていきます。
高金利になる生命保険を利用する場合には、できるだけ短期間で完済しましょう。
完済前に保険金の支払事由が発生すると相殺される
生命保険ですので、被保険者が亡くなったときには死亡保険金が支払われます。
ところが、契約者貸付制度による借金が残っている場合には、その借金と利息が死亡保険金から差し引かれてしまいます。
満期保険金の場合も同じく未返済分が差し引かれます。
死亡保険金が1000万円で、返済していない元金と利息の合計が300万円ある場合には、死亡保険金が700万円になります。
死亡したからといって借金が消えてしまうわけではありませんので、注意してください。
まとめ:低金利で借りられるけど計画的に利用すること

生命保険でお金を借りることができる契約者貸付制度は、カードローンよりも金利が低く、しかも返済期限がないため、お金に困ったときにはとても助かる存在です。
ただし、返済期限がないというのをいいことに、いつまでも返済しないでいると利息が膨れ上がり、解約払戻金を超えてしまうことがあります。
そうなると保険が失効することもありますし、返済するにしても高額な利息を払わなくてはいけなくなります。
せっかく低金利で借りられているのにもったいないですよね。
契約者貸付制度を使うときも、カードローンで借りるときのようにきちんと返済計画を立てて、コツコツ返済するように心がけましょう。